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【薬剤師が解説】予防接種の基本的な知識【ワクチンで病気を防ごう】

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予防接種といえば子供の頃に何回も注射されて嫌な思い出があるという方が多いかもしれません。

大人になってからもインフルエンザワクチンの接種などが薦められていますよね。

ワクチンは病気からみなさんの健康を守るために必要なものではありますが、種類や接種回数が多く、複雑になっています。

中にはワクチンについてよくわからず、大切なワクチンを接種し忘れたまま大人になってしまう方もいます。

病気になった後で「ワクチンを接種していれば…」と後悔しないためにも、ワクチンについて知っておくことが大切です。

この記事では薬剤師のせいまるが、ワクチンについての基本的な知識について解説します。

せいまる

ワクチンは子供達の健康を守る武器になります。(もちろん大人になってからも)

ワクチンと抗生剤の違い

まずはワクチン抗生剤違いについて押さえます。

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薬局でも、ワクチンと抗生剤の違いがよくわからないので教えて欲しいという声を聞くことがあります。

ワクチンとは

ワクチンは病原体を無毒化したり弱めたりして体内に接種させることで、ヒトの免疫によって、病原体に対する抗体を作らせます。

抗体とは病原菌やウイルスをやっつける免疫物質のことです。

あらかじめ特定の病原体に対する抗体を作っておけば、次にその病原体が体内に入ってきたときに迅速に攻撃することができるため、感染症にかかりにくくなるという仕組みです。

ほとんどのワクチンは注射により接種しますが、中には口から接種するものもあります。

感染する前に免疫を作っておき予防するのがワクチンです。

抗生剤とは

抗生剤は抗生物質抗ウイルス剤を含むお薬のことを指します。

抗生物質(抗ウイルス物質)は悪い菌やウイルスをやっつける成分です。

抗生剤は感染症にかかってしまった後に、その原因となる病原体をやっつけるために使用されます。

感染した後に病原体をやっつけるのが抗生物質です。

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抗生剤を予防に使用するケースも一部あります。

ワクチンの分類

ワクチンは3つの種類に分けることができます。

生ワクチン

生ワクチンは生きた状態のウイルスや細菌の毒性を、症状が出ない程度まで弱めた病原体を含むワクチンです。

自然に感染した状態と近い状態であるため、比較的免疫が作られやすいといえます。

副反応(副作用)としてその病原体に感染したのと同じような症状が軽めに出てくることがあります。

  • ロタウイルス
  • BCG
  • MR(麻しん・風しん混合)
  • 水痘(水ぼうそう)
  • おたふく

などが生ワクチンに分類されます。

不活化ワクチン

不活化ワクチンはウイルスや細菌の病原性を完全になくした状態のワクチンです。

ウイルスや細菌を粉々にして免疫を作るために必要な部分のみを抽出して作られます。

病原性が完全になくなっているので、ワクチンを接種しても感染症の症状が出ることはありません。

しかし、自然な感染とは異なるので免疫を作るためには不十分な場合がありますので、複数回の接種が必要になることが多いです。

  • B型肝炎
  • ヒブ
  • 小児肺炎球菌
  • 四種混合(の百日せき・ポリオ)
  • 日本脳炎
  • インフルエンザ
  • A型肝炎
  • HPV
  • 髄膜炎菌

などが不活化ワクチンに分類されます。

トキソイド

病原体(細菌)が出す毒素の毒性をなくして作られたワクチンです。

毒性をなくし、免疫を作るのに必要な部分だけを残して作られます。

  • ジフテリア
  • 破傷風

などがトキソイドに分類されます。

ワクチンの制度的な分類

日本の制度において、ワクチンは定期接種任意接種に分類されます。

定期接種ワクチン

ワクチンを接種する期間が「予防接種法」という法律に基づいて定められているものであり、自治体内が主体となって行なっています。

いわゆる「法定接種ワクチン」です。

接種費用は公費によって賄われるため、基本的には無料です。(一部自己負担が発生する場合もあります)

任意接種ワクチン

ワクチン接種の希望者が各自で接種するワクチンです。

しかし、任意だからといって受ける必要がないというわけではありません。

感染症を予防するためには、任意接種のワクチンもしっかりと受けておくことが推奨されます。

接種にかかる費用は基本的には自己負担となります。

任意接種のワクチンについても自治体によっては助成金が出る場合もございますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。

代表的な副反応

ワクチンは比較的安全性が確保されていますが、副反応(副作用)が起こる可能性もあります。

副反応はほとんどが比較的軽度ですので過度に心配する必要はありません。

代表的な副反応についてまとめます。

接種した部分の赤み

ワクチンを接種した部分が赤く腫れることがあります。

これは免疫の反応によるものであり、数日程度で治りますので特に治療は必要ありません。

まれに腫れが大きくなってくることがあり、その場合は治療が必要になることもあります。

接種後に熱が出る

生ワクチンの接種後などに熱が出ることがあります。

生ワクチンは生きた病原体の毒性を弱めたものであるため、本来の病気の軽い症状が出る場合があります。

発熱したとしても症状が強く出ることはまれであります。

その他のまれな副作用

数千分の1~数万分の1程度の確率でまれに重大な副作用が出る可能性があります。

そのため、ワクチンを接種した後は激しい運動などはせずに安静にしておくことが望ましいです。

また、念のためにワクチン接種後は子供の様子をしっかりと見守ってあげましょう。

接種するワクチンの種類によりますが、入院治療が必要になるケースもあります。

副反応と聞くとどうしても怖いイメージがあるかもしれませんが、確率はかなり低いです。

ワクチンを接種で防げるはずの病気にかかってしまい、後遺症が残ったり、場合によっては命を落としてしまうリスクを考えると、ワクチンはしっかりと接種するべきであると考えられます。

万が一の健康被害が起きた時は

副反応は稀であるから大丈夫といっても、「万が一、副反応による健康被害が出てしまったら?」と考えると少し不安ですよね。

そこで、予防接種を安心して受けられるように、重大な健康被害が起きた場合にはその補償を行うという制度があります。

定期接種ワクチンの場合

定期接種ワクチンの接種により重大な健康被害が出た場合は「予防接種法」による救済措置を受けることができます。

任意接種ワクチンの場合

任意接種ワクチンの接種により重大な健康被害が出た場合は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)」による救済措置を受けることができます。

まとめ

ワクチンの基本的な知識についてまとめます。

  • ワクチンはヒトの免疫によって病原体に対する抗体を作ります。
  • ワクチンはほとんどが注射による接種ですが口から接種するものもあります。
  • ワクチンには生ワクチン・不活化ワクチン・トキソイドの3種類があります。
  • 制度的には定期接種ワクチンと任意接種ワクチンがあります。
  • 副反応は比較的軽度です。
  • ごく稀に重大な健康被害が出る場合がありますが、その場合はしっかりと補償を行う制度があります。
  • ワクチンはしっかりと接種しに行くことが大切です。

定期接種ワクチンは必ず受けるておき、しっかりと感染症を予防するためには、任意接種のワクチンもしっかりと受けておくことが推奨されます。

せいまる

病気になった後で「ワクチンを接種していれば…」と後悔しないためにもワクチンはしっかりと接種しに行くことが大切です。

インフルエンザワクチンについてこちらの記事でまとめています。併せてご覧ください。

インフル予防接種の疑問【いつ接種?持続時間は?副作用は?】のアイキャッチ画像 【薬剤師が解説】インフル予防接種の疑問【いつ接種?持続時間は?副作用は?】

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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