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【薬剤師が解説】塗り薬の正しい&上手な使い方【軟膏・クリーム・ローションのコツ】

塗り薬の正しい&上手な使い方のコツのアイキャッチ画像

皮膚科を受診すると皮膚の状態や症状に合わせて、様々なタイプの塗り薬が処方されることがあります。

塗り薬には、軟膏やクリーム、ローションなどの様々な種類があります。

これらは外用薬(塗り薬のこと)と呼ばれているお薬です。

それぞれタイプ別の性質によって最適な塗り方や塗る量が異なります。

たくさんの種類が処方されると複雑に感じてしまうかもしてません。

実際に薬局でも「それぞれの違い塗り方がよくわからない」という声もよく聞かれます。

そこで、この記事では薬剤師のせいまるが、塗り薬の正しい塗り方について解説します。

せいまる

塗り薬を上手に塗るコツを紹介していますのでどうぞご覧ください。

はじめに

お薬は決められた用法用量を守り、正しく使用することで医師の期待する効果が得られます。

必ず医師・薬剤師の指示の通りに使用し、勝手な判断で用法用量を変えたりすることは絶対にやめましょう。

注意
お薬の使い方で不安な点や疑問点がある場合は主治医またはかかりつけの薬剤師に遠慮せずにお問い合わせください。

また、小さなお子様ご家庭いらっしゃる場合は必ずお子様の手の届かないところでお薬を管理してください。

塗り薬の種類

軟膏

油を主成分とし、その中に有効成分(薬として効果のある部分)を含む塗り薬です。

油が主成分であるため、皮膚をしっかりと覆うことにより保湿力が比較的高いという特徴を持ちます。

しっかりと患部を保護したい時に使用される傾向にあります。

その反面べたつきやテカリが出やすくなっています。

クリーム

油と水が乳化した状態で有効成分を含んでいる塗り薬です。

乳化とは、油と水がきれいに混ざり合った状態のことを言います。

軟膏と比較してべたつきが少なく、お薬の有効成分が皮膚に浸透しやすいのが特徴です。

しかし、炎症部分や傷口には刺激感が出やすい場合もあります。

ローション

液体タイプのお薬です。

水のようにサラサラしていますので、広範囲に伸ばしやすい特徴を持ちます。

サラサラしているため、覆われている感覚などは軟膏やクリームと比較して少なくさっぱりしています。

さっと広範囲に塗りたいときや、汗をかきやすい夏などにおすすめです。

皮膚を覆う効果は軟膏に比べると物足りなく感じてしまうかもしれません。

スプレータイプ

液状のお薬を患部に直接スプレーすることができるお薬です。

背中などの手の届きにくいところにも吹きかけることができるので便利です。

ローションのようにサラサラとして伸ばしやすい傾向にあります。

泡タイプ(フォーム)

泡状のスプレーの中に有効成分を含むお薬です。

泡状であるため、液だれを起こしにくく、広範囲にも伸ばしやすいです。

塗る量

塗る量はお薬の種類によっても異なりますが、おおよその基準として、FTUという考え方があります。

FTUとはお薬をチューブから手に取ったときに、成人の人差し指の第一関節まで取った量を言います。

これが約0.5gに相当し、おおよそ成人の手のひら2枚分の面積にお薬を塗る量です。

それぞれの塗り薬のタイプ別のFTUの目安について解説します。

せいまる

少し塗りすぎていると感じるくらいの量がちょうど良い量であると考えられています。

軟膏・クリームのチューブ

25gや50gなどの大きなチューブでは成人の人差し指の第一関節までチューブから押し出した量がおおよその1FTUです。

5gなどの小さいチューブであれば絞り出し口の直径が小さいため、第二関節くらいまで取った量が1FTUです。

チューブの絞り出し口の直径により1FTUで取れるお薬の量が変化しますので、あくまでも目安にしてください。

チューブの直径が小さい場合は長めにお薬を出して調整します。

軟膏・クリームのつぼ

成人の人差し指から第一関節の中間程度まですくいとった量がおおよその1FTUに相当します。

お薬の種類によっては純正の計量スプーンが用意されていることもあります。

ローション

手のひらに1円玉くらいの大きさに取った量がおおよその1FTUに相当します。

上手に塗るコツ

お薬を上手に塗るコツについて解説します。

お薬の効果は塗り方によって大きく変わってしまう可能性があります。

最大の治療効果を発揮するには塗り方に工夫が必要です。

せいまる

工夫するといっても少しコツを掴むだけで大丈夫なのでご安心ください。

タイミング

お薬の成分は皮膚が清潔で潤っている時がより浸透しやすく効果的であるため、入浴後などがおすすめです。

特に入浴後はあっという間に皮膚の水分は蒸発してしまいます。

そのため、入浴後すぐにお薬を塗ることで保湿力も高めることができます。

塗るむき

お薬を広い範囲に塗るときは、手のひらを使って皮膚の細かなシワに沿って伸ばすのがコツです。

シワに沿って塗ることで、ムラなく広げやすくなります。

強く擦り付けるように塗りこむと皮膚にダメージを与えてしまう可能性がありますので、すりこむのではなく優しく塗ることがポイントです。

塗った後の感覚の目安

FTUを毎回測るのが難しいという場合は塗った後の感覚を目安に適量を測るとわかりやすいです。

せいまる

中部の口径によって1FPUのお薬の長さが変化しますので塗った感覚を頼りにする方が安定して塗ることができるかもしれません。

お薬を塗った後に、塗った部分が少しテカっている感じが適切です。

また、テッシュペーパーを1枚をくっつけてみて、逆さにしても落ちずにくっつく程度が適量です。

せいまる

塗り薬はどうしても少ない量を塗りがちです。

少し塗りすぎたと感じるくらいがちょうどいい量です。

冬などの注意点

冬などは気温が低く、軟膏やクリームが固くなっている場合があります。

硬いまま無理に皮膚に塗ると、皮膚にダメージを与える恐れがあります。

少し体温で温めたりして柔らかくしてから塗るようにしましょう。

保湿のお薬のタイプ別の塗り方についてこちらの記事でも詳しく解説しております。合わせてご覧ください。

ヒルドイドの効果と正しい使い方のアイキャッチ画像 【薬剤師が解説】ヒルドイドの効果と正しい使い方【保湿剤】

まとめ

塗り薬の種類や上手に塗るコツについてまとめます。

  • 塗り薬には様々なタイプの形があります。
  • 状態に合わせて使い分けられます。
  • 塗る量はFTUという単位を目安に考えます。
  • 入浴後すぐに塗るとより効果的です。
  • シワに沿って塗るとムラなく塗りやすいです。
  • 塗った感覚の目安として、塗った部分が少しテカるくらいが良いです。
  • テッシュを逆さまに貼って落ちないくらいを目安にしましょう。

塗り薬は塗り方やタイミングによってお薬の効果が大きく左右される可能性があります。

少しでもお薬の塗り方に迷ったら、主治医やかかりつけの薬剤師に相談するのがオススメです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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