病院や薬局にかかると、「お薬手帳をお持ちですか?」
必ずと言ってもいいほど声をかけられると思います。
お薬手帳ってよくわからないし作ってない…
作ってもらったことはあるけど、どこかにいってしまった…
そんな方も多いと思います。
実は病院や薬局にお薬手帳を持っていくか持っていかないかでかなりの差があるんです。
せいまる
この記事では薬剤師のせいまるが、お薬手帳のメリットについて解説します。
この記事でわかること
お薬手帳とは
お薬手帳とは、お薬の処方内容の履歴などを記録していくための手帳です。
お手帳の内容を確認することで、今使っているお薬や、今までに飲んできたお薬がわかります。
- 薬剤名
- 用法用量
- 調剤日
- 調剤薬局の名称
- 調剤した薬剤師の名前
- 処方箋を発行した医療機関の名称
- 処方した医師の名前
などの情報が含まれます。
処方内容の他にも、お薬の副作用歴や食物アレルギー、今までにかかったことのある病気の履歴などを記載します。
つまり、お薬手帳とはみなさまの健康に関する大切な情報を1つにまとめた手帳と言えます。
せいまる
持っていない場合はすぐに作ってもらいましょう。
お手帳があるとお薬代金が安くなる?
現在(2019年3月)の診療報酬の制度では、お手帳があるかないかによって医療費の点数の計算方法が変わります。
具体的には、薬剤服用歴管理指導料という保険点数が変化します。
手帳ありの場合が41点(410円)
手帳なしの場合が53点(530円)
となります。
つまり、手帳がある場合では、ない場合に比べて最大で120円安くなるということです。(3割負担の場合で最大40円)
「同じ薬局に半年以内に来局した場合」という条件です。
前回の来局より半年以上空いてしまった場合や、初めて薬局に行く場合、お薬手帳があっても53点となってしまいます。
同じ薬局に半年以内に処方箋を持っていく場合、お薬手帳があれば毎回約40円の節約になるということです。(3割負担の場合)
40円も積み重なれば山となります。
せいまる
他にもたくさんのメリットがあります!
お薬手帳を持つメリット
お薬代金が安くなるだけではなく、お薬手帳を持つことで多くのメリットがあります。
お薬の飲み合わせや重複のチェックができる
お薬の中には、一緒に飲むことでお薬の効果が無くなってしまったり、副作用が出やすくなってしまう組み合わせがあります。
そのため、お薬手帳を持っていると、今飲んでるお薬がわかりますので飲み合わせを確認することができます。
飲み合わせを確認して飲み合わせの悪いお薬がありましたら、処方内容を変更してもらえます。
また、同じお薬が他の病院で重複して出ている場合も発見することができます。
お薬手帳によって、思わぬ健康被害を減らすことができます。
副作用歴やアレルギー歴から相性の悪いお薬がわかる
お薬を飲んで副作用が出たことがある場合、そのお薬と同じ系統のお薬で副作用が出る可能性が高いです。
そのため、お薬手帳に副作用歴を記録しておくことで副作用のリスクを未然に防止できます。
また、食物食物アレルギーについても記録しておくことでお薬のアレルギーについても予測することができます。
災害時や旅行中の急病時に役に立つ
旅行中などで、かかりつけの病院に診てもらえない場合でも、お薬手帳を見ることで使用中のお薬を正確に伝えることができます。
また、災害時に病院・薬局がうまく機能しない場合も、お薬手帳の情報をもとにしてお薬が提供できる場合もあります。
(ただし、災害時のみの特例であり、調剤ではなくお薬の提供となります)
ポリファーマシーの健康リスクを減らす
必要以上のお薬を服用することをポリファーマシーとよびます。
本来では、お薬は病気を治療するためのものです。
しかし、お薬を飲みすぎることは逆に健康に悪影響を及ぼすことがあります。
特に近年では高齢者の眠剤の飲み過ぎが問題視されています。
複数の医療機関から別々に大量の眠剤が処方されている場合があります。
眠剤の飲み過ぎによって必要以上の眠気が引き起こされ、転倒や思わぬ事故の原因となりとても危険です。
また、眠剤の飲み過ぎによって認知症のような症状を引き起こすこともあります。
お薬手帳があれば、お薬の重複や飲み過ぎに気がつくことができます。
ポリファーマシーの健康被害を未然に食い止めることにもお薬手帳が役に立ちます。
お薬手帳の種類
お薬手帳には様々なタイプがあります。
紙の手帳タイプや電子タイプ(スマートフォンのお薬手帳アプリやカード型)があります。
紙の手帳タイプ
紙の手帳であるため、お薬の内容を書き込んだり、シールを貼ることで処方内容を記録することができます。
紙の手帳であるため、どの医療機関でも簡単に確認できます。
普段から意識して持ち歩かないといけません。
長期の旅行などでは持っておくことが望まれます。
電子タイプ
スマートフォンのアプリやカードの中に処方内容を書き込みます。
スマートフォンのアプリであれば毎日持ち歩いていますし、カードタイプであれば財布などに入れておくことができます。
携帯しやすいことが特徴です。
アプリのタイプの場合は医療機関でスマートフォンの画面を見せる必要があったり、預けたりしないといけません。
カードタイプのお手帳の読み取りに対応していない医療機関では、手帳の中身の確認や書き込みができないことがあります。
以上のように紙の手帳タイプと電子タイプではそれぞれメリットとデメリットがあります。
そのため、紙の手帳と電子タイプの両方を使用するのがオススメです。
まとめ
お薬手帳があると、お薬料金が安くなるだけではなく、それを超える様々なメリットがあります。
「まだ作ってないよ!」という方は次に薬局に行った時に必ず作ってもらいましょう。
せいまる
積極的に活用していきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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せいまる