ヒルドイドは多くの効能効果を持ち、様々な症状に処方される保湿剤です。
有効成分としてヘパリン類似物質を含み、とても強力な保湿力を持ちます。
せいまる
特に皮膚科では、乾燥肌や皮脂欠乏症、アトピー性皮膚炎などの治療に処方されることが多いです。
他にも、ニキビの塗り薬の副作用を軽減する目的や、抗腫瘍分子標的薬(抗EGFR抗体)による手足症候群を緩和させる目的など、様々な治療で使用されています。
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ヒルドイドの保湿有効成分であるヘパリン類似物質を含む一般用医薬品として、「HPクリーム」がグラクソ・スミスクライン社から発売されています。
一般用医薬品とは、OTCとも呼ばれ、薬局やドラッグストアで購入できる医薬品のことです。
HPクリームは一般用医薬品であり、医師の処方箋なしに購入できるのが特徴です。
また、一般用医薬品であるため保険上の制限もありません。
この記事では皮膚科系薬剤師のせいまるが、HPクリームの効果や正しい使い方、塗り方について解説します。
この記事でわかること
HPクリームとは
HPクリームは有効成分としてヘパリン類似物質を含みます。
ヘパリン類似物質を0.3%含むため、有効成分の濃度はヒルドイドと同じ量含まれています。
よって、HPクリームはヒルドイドやビーソフテンとして知られている医療用の保湿剤の一般用医薬品版という位置付けと言えます。
一般用医薬品は医師の処方箋が必要なく、保険も使用しないので、薬局やドラッグストアで必要な時に、必要な分だけ、自由な量を購入することができるのが特徴です。
ネット購入も可能
一般用医薬品であるため、楽天などのネット通販でも購入が可能であり、通常のドラッグストアで購入するよりもお得に購入できる場合があります。
保湿剤の処方のためにクリニックや薬局で長時間待つのは退屈だと思います。
せいまる
ネット通販などを活用してサッとお得に手に入れてしまうことをオススメします
HPクリームはヒルドイドの保湿有効成分であるヘパリン類似物質を含みますので、ヒルドイドと同様の保湿力が期待できます。
ヘパリン類似物質の効果
ヘパリン類似物質は、親水性(水分と仲が良い)という性質を持っています。
また、血を固まりにくくする作用もあります。
そのため、ヘパリン類似物質は水分を引き寄せる性質や血液をサラサラにして血行を促進する作用を持ちます。
水分を引きつける作用
空気中の水分をたくさん引きつけ、肌の潤いを保ちます。
この高い保湿効果によって、皮膚の天然保湿因子が増加します。
天然の保湿因子が増えることで角質の構造が修復されやすくなり、皮膚のバリア能が回復します。
血行促進作用
ヘパリン類似物質には、血行を促進する作用があり、皮膚の血行が良くなります。
血流量が増えることにより皮膚の代謝が活性化され、傷跡などが治りやすくなると考えられています。
ヘパリン類似物質を有効成分としたヒルドイドについてはこちらの記事で解説しております。合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】ヒルドイドの効果と正しい使い方【保湿剤】HPクリームを上手に塗るポイント
HPクリームの保湿力を最大限に活かすポイントを解説します。
保湿は皮膚科系のあらゆる治療で一番重要といっても過言ではありません。
保湿剤を適切に使うことが、治療の効果を左右します。
塗る量
FTU(フィンガーチップユニット)という単位を基準に考えて塗ります。
FTUとは、成人の人差し指の先端から、第一関節までの長さのお薬をチューブから出した量を言います。
ただし、チューブの直径は製品により異なります。
チューブの直径によって量を調整する必要がございます。
成人の手のひら2枚分の面積に対して、1FTUを目安に塗ります。
塗った感覚の目安
FTUを意識して塗っていても、意外と薄く塗ってしまいがちです。
塗った部分がテカって光るくらいが適量です。
また、ティッシュペーパー1枚をくっつけてみて、手を離しても落ちずにくっつく程度が適量です。
タイミング
HPクリームは水分を引き寄せ、肌に潤いを閉じ込めてくれるため、入浴後の皮膚が潤っている時にすぐに塗るのがベストです。
体の水分を拭き取った後に一気に塗ってしまいましょう。
水分は、入浴後はすぐに体から蒸発してしますので、素早く塗るのがコツです。
特に入浴後5分以内に塗ると効果的です。
塗る向き
皮膚には横向きに細かなシワがあります。
シワに沿って横に塗ることが、HPクリームをムラなく塗るコツです。
使用上の注意点
使用できない方
HPクリームは副作用が少なく、比較的安全に使用できます。
しかし、血液をサラサラにする作用があることから、次のような出血性の疾患のある方には使用することができません。
- 血友病
- 血小板減少症
- 紫斑病などの出血性の疾患がある方
使用できない部位
HPクリームは以下の部位には使用できません。
- 出血のある傷口
- 目(目に入るような目の周囲)
- 粘膜(口腔、鼻腔など)
他にも、使用中に気になる症状がございましたら、医師・薬剤師にすぐに相談するようにしましょう。
まとめ
- HPクリームは高い保湿力を持ちます
- 市販薬であるため医師の処方箋がなくても購入できます
- 保険の制限がないので、必要な量を自由に購入できます
- 入浴後5分以内に塗るのが効果的です
- 成人の手のひら2枚分の面積に対して1FTUを目安に塗ります
- 皮膚がテカり、ティッシュがくっつく程度が塗る量の目安です
保湿はスキンケアで最も重要と言っても過言ではありません。
保湿剤は塗り方や塗るタイミングなどによって効果が変わります。
効果的に保湿剤を使いこなすことができると、気になる皮膚の症状も改善されやすくなります。
保湿剤についてはヒルドイドやヒルドイドのジェネリックも含め、こちらの記事でまとめて解説しています。
【薬剤師が解説】保湿剤の種類まとめ【保存版・ヒルドイド・ワセリン・尿素】最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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