ニキビができてしまうと「一刻も早く治したい!」と思いますよね。
特に外見上の問題はとても気になってしまいます。
しかし、ニキビはなかなか自然には治ってくれません。
そこで、皮膚科系薬剤師のせいまるが、ニキビの薬エピデュオゲルの正しい使い方やスキンケア方法を解説します。
いろんな方法やお薬を調べて試してみたけどなかなか治らない…そんな悩みを解決していきます。
せいまる
ニキビ治療で皮膚科を受診して処方されるお薬にエピデュオゲルがあります。
エピデュオゲルはディフェリンゲルとベピオゲルの有効成分を併せ持つ配合剤(2種類以上の有効成分を合わせたお薬)です。
ニキビに対して治療効果が期待できる一方で、皮膚のヒリヒリ感や刺激感、赤くなる、かゆい、乾燥などの副作用が現れてしまうことがあるのが特徴です。
「エピデュオは副作用が痛い…」と思って使うのを断念してしまう場合もあります。
皮膚の刺激感の副作用が現れる割合は多いものの、しっかりと保湿などのスキンケアを行うことで副作用はある程度軽減することが可能です。
この記事ではエピデュオゲルの正しい使い方や塗り方、治療で気をつけるポイントを解説します。
ニキビの塗り薬のより効果的な使い方や塗る順序についてまとめています。塗る順序などのよくある疑問にお答えします。実際にエピデュオゲルを使う前にぜひ確認してください。
【薬剤師が解説】ニキビ治療薬の塗りかた&塗る順序【完全ガイド】ニキビのお薬の総まとめ記事です。塗り薬や飲み薬までを幅広く網羅しています。こちらも合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】ニキビ治療薬まとめ!塗り薬&飲み薬【2019保存版】この記事でわかること
エピデュオゲルとは
エピデュオゲルは2つの有効成分を配合したお薬です。有効成分としてアダパレンと過酸化ベンゾイルを含みます。
ディフェリンゲルとベピオゲルの有効成分を合わせたお薬ということです。
殺菌作用とピーリング作用を併せ持つタイプの塗り薬で、ニキビの治療効果が期待できます。
エピデュオゲルの効果
ディフェリンゲル(アダパレン)とベピオゲル(過酸化ベンゾイル)を配合したお薬であるため、この2つのお薬の効果を併せ持ちます。
【薬剤師が解説】ディフェリンゲルの効果や正しい使い方【ニキビ塗り薬】 【薬剤師が解説】ベピオゲルの効果や正しい使い方【ニキビ塗り薬】アダパレンの効果
有効成分のアダパレンはビタミンAに似た成分で、ターンオーバーを調整することで角質の生成を抑制する効果があります。
分厚くなった角質の厚みを解消して毛穴のつまりを防ぎます。
また、角質剥離作用も持ちます。
毛穴のつまりを解消することでニキビの原因菌の増殖を防ぎ、ニキビを予防します。
過酸化ベンゾイルの効果
過酸化ベンゾイルには2つの効果(作用機序)があります。
過酸化ベンゾイルは化学的な殺菌力でニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌してくれます。
一般的な抗生物質とは異なる作用であるため、耐性菌(薬が効かなくなった菌)を作りにくいという特徴があります。
アクネ菌を殺菌することで、お肌の炎症が起こりにくくなります。
過酸化ベンゾイルには角質が剥がれやすくする効果(ピーリング効果)があります。
角質が剥がれやすくなると、古い角質が溜まりにくくなります。
古い角質がなくなることによって皮膚のターンオーバーは正常になり、毛穴が詰まりにくくなります。
毛穴の詰まりが解消されることでニキビの予防効果を発揮します。
また、余分な角質がなくなることで毛穴の奥までアダパレンや過酸化ベンゾイルが染み込み、殺菌効果が高まります。
エピデュオゲルの使い方
エピデュオゲルは1日1回夜の洗顔後にニキビの上とその周りに塗ります。
エピデュオゲルは顔のみに使用します。
有効成分のアダパレンが顔のみに使用するお薬であるためです。
洗顔により、お肌の汚れをやさしく落とし、保湿します。
ニキビの治療では保湿がとても大切ですので、洗顔後は最優先で保湿のケアをします。
保湿剤は処方された保湿剤でも、市販の化粧水や乳液でもどちらでも大丈夫です。
保湿することでエピデュオゲルによる乾燥や刺激感などの副作用が軽減されると考えられています。
また、保湿により薬効成分がお肌に浸透しやすくなります。
ニキビの上その周囲に塗ります。塗りはじめは皮膚がヒリヒリしたり刺激感を感じることがあるので最初は少しの量から塗り始めてください。
日光により、皮膚への刺激が増すことがあります。日焼け止めクリームや日傘で紫外線対策をしましょう。
- STEP.1洗顔しっかり汚れを落とします。
ただし、肌を直接ゴシゴシこするのではなく泡で優しく洗顔をします。
洗顔後は柔らかいタオルでこすらずに軽く抑えるように水滴を拭き取ります。
- STEP.2保湿洗顔または入浴後すぐに保湿を行います。
入浴後5分以内が理想的です。
顔全体に塗る場合の目安は人差し指の先端から第一関節までの長さです。(この量を1FTUといいます)
- STEP.3塗りエピデュオゲルを塗ります。
ニキビの上にのせ、こすらずに薄く塗り広げます。
- STEP.4手洗い塗った後は手を洗います。
こちらの記事では、他のお薬を併用する場合の塗る順番をまとめています。合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】ニキビ治療薬まとめ!塗り薬&飲み薬【2019保存版】エピデュオゲルで注意するところ
漂白作用
漂白作用のある成分を含むため、髪の毛や服にはつかないように気をつけてください。
ついてしまうと色が落ちてしまう可能性があります。
お薬を使用した後はすぐに手を洗いましょう。
紫外線対策
日光により、皮膚への刺激が増すことがあります。日焼け止めクリームや日傘で紫外線対策をしましょう。
保管方法
直射日光や湿気をさけた室温(1~30℃)で保管してください。
エピデュオゲルの副作用
- 乾燥
- 刺激感
- 粉を吹く
- かゆみ
- 赤くなる
これらの症状は使い始め2週間以内に多く見られます。通常の場合これらの症状は一過性で日数の経過により改善していきます。
ヒリヒリ感や皮膚の赤みなどが強く、お薬が使いにくい場合は使用を中断してください。すぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましよう。
副作用を減らすポイント
エピデュオゲルの副作用の多くは保湿のスキンケアによって減らすことができます。
皮膚科の治療では保湿が最も大切です。
保湿をすることで、皮膚のバリア能力や治癒力が高まります。
そのためエピデュオゲルの副作用を軽減できるだけではなく、細菌の感染を防いだり、炎症を抑えることもできます。
保湿効果は洗顔後や入浴後が一番効果的です。特に入浴後5分以内が一番効果的であると言われています。
そのため保湿を最優先で行います。保湿剤は処方された保湿剤でも、市販の化粧水や乳液でもどちらでも大丈夫です。
保湿剤は薬局やドラッグストアでも購入できます
薬局などで買える保湿剤にHPクリームなどがあります。
HPクリームは有効成分としてヘパリン類似物質を含みます。
ヘパリン類似物質を0.3%含むため、有効成分の濃度はヒルドイドと同じ量含まれています。
よって、HPクリームはヒルドイドやビーソフテンとして有名な医療用の保湿剤の一般用医薬品バージョンという位置付けと言えます。
一般用医薬品は医師の処方箋が必要なく、保険も使用しないので、薬局やドラッグストアで必要な時に、必要な分だけ、自由な量を購入することができるのが特徴です。
特に病院から大量の保湿剤が処方されていることは近年問題視されており、今後処方が制限されたりする可能性も考えられます。
せいまる
ネット購入も可能
一般用医薬品であるため、楽天などのネット通販でも購入が可能であり、通常のドラッグストアで購入するよりもお得に購入できる場合があります。
保湿剤の処方のためにクリニックや薬局で長時間待つのは退屈だと思います。
せいまる
ネット通販などを活用してサッとお得に手に入れてしまうことをオススメします
HPクリームはヒルドイドの保湿有効成分であるヘパリン類似物質を含みますので、ヒルドイドと同様の保湿力が期待できます。
こちらの記事で保湿剤の効果的な使い方を解説しています。合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】ヒルドイドの効果と正しい使い方【保湿剤】洗顔後にしっかりと保湿を行い、その後にエピデュオゲルを塗るようにします。お肌に負担をかけないために優しく洗顔するようにしましょう。
処方される保湿剤にはヒルドイド(ヘパリン類似物質)やプロペト(ワセリン)などがあります。
市販の保湿剤を選ぶときはノンコメドジェニック(ニキビができにくい)保湿剤を選ぶようにします。
また、日光により、皮膚への刺激が増すことがあります。日焼け止めクリームや日傘で紫外線対策をしましょう。
エピデュオゲルのメリット
有効成分の過酸化ベンゾイルの殺菌作用は一般的な抗生剤とは異なります。耐性菌(薬が効かない菌)を出しにくい特徴をもちます。
そのため、他の抗生剤タイプのお薬と比較して、長期間にわたって使用することができます。
よくある質問
よくある質問にQ&A形式で解説します。
どれくらいの量を塗ると良いですか?
人差し指の先から第一関節までお薬を出した量が顔全体に塗る量です。人差し指の第一関節まで塗り薬を取った量を1FTPといいます。最初は少ない範囲から塗り始め、少しずつ額や頬などの部分的に塗る場合はもう少し少なめにして1FTUの3分の1くらいの量にします。
顔のニキビ以外のところに塗ってもいいですか?
エピデュオゲルは顔以外に使用することはできません。顔のみに使用してください。また、刺激感があることから傷や粘膜(目や口)には入ったりしないようにしましょう。
1日に2回塗ってもいいですか?
エピデュオゲルの効果は1日1回塗ることで十分に発揮されます。2回以上塗ってもニキビへの効果は期待出来ません。副作用のリスクが高くなってしまうため、1日1回の用法は必ず守るようにしてください。
まとめ
- エピデュオゲルはディフェリンゲルとベピオゲルの有効成分を合わせたお薬です。
- エピデュオゲルは殺菌作用とピーリング作用を併せもち、できてしまったニキビを治し、これからできるニキビも予防する効果があります。
- 耐性菌を作ってしまうリスクが少ないために長期間使用することができます。
- 副作用として刺激感やお肌の乾燥などがありますが保湿のケアにより軽減することができます。
- 紫外線対策を忘れずに行いましょう。
ニキビの治療はお薬を正しく使用することが重要になります。
必ず、皮膚科の医師・薬剤師の指示通りに使用してください。
少しでも気にになることがあれば皮膚科を受診するようにしましょう。
ニキビ治療ではお薬の治療だけではなく生活習慣の改善やメンタル面でのケアも大切です。
とくにストレスは皮脂の分泌を高めるため、ニキビの悪化の原因になります。
日常のスキンケアに加えて、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
ニキビ治療に使用されるお薬の塗り薬の使い方・塗る順序について詳細にまとめています。実際にお薬を使う前にぜひ確認してください。
【薬剤師が解説】ニキビ治療薬まとめ!塗り薬&飲み薬【2019保存版】 【薬剤師が解説】ニキビ治療薬の塗りかた&塗る順序【完全ガイド】ニキビの原因についてはこちらの記事でまとめています。合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】ニキビの原因はコレ!原因別の対策を総まとめ!最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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せいまる
エピデュオゲルを塗ったら、黄色い浸出液が出てきたのですが、どうしたら良いですか?
飯島様
浸潤液が出てきたということであれば、エピデュオゲルが皮膚にあっていない可能性もしくは他の原因が考えられます。
このままですと皮膚の状態も良くないと思います。
でできるだけ早く再受診し、主治医に判断を仰いで下さい。