ビタミンB類は肌荒れやニキビ、口内炎などに効果があるというイメージですよね。
特にビタミンB6は皮膚や粘膜の代謝や修復にも関係しています。
そのために、皮膚科領域では、肌荒れやニキビの治療や予防に使用されます。
ピドキサールは活性型のビタミンB6を有効成分として含むお薬です。
せいまる
この記事では、皮膚科系薬剤師のせいまるが、ピドキサールについて解説します。
この記事でわかること
ピドキサールとは
有効成分として活性型のビタミンB6を含みます。
10mg、20mg、30mgの3つの規格があります。
お薬の名前の由来はビタミンB6の名称のピリドキサールが由来です。
ピリドキサールから「リ」を抜いてピドキサールです。
活性型ビタミンB6とは
ピドキサールに含まれる活性型ビタミンB6は、通常の食品やサプリメントに含まれるビタミンB6とは異なります。
通常のビタミンB6は人の体の中に入ってから活性化され、活性型ビタミンB6になります。
活性化された後に体の中でタンパク質やアミノ酸の代謝などに使用されます。
つまり、食品やサプリメントによって摂取したビタミンB6は、体内で効果が発揮される前に、活性化される必要があります。
一方で、ピドキサールの有効成分である活性型ビタミンB6は、最初から活性化されている状態であるため、素早く効率よく体の中で働くことができます。
せいまる
活性型ビタミンB6のはたらき
タンパク質やアミノ酸の代謝
タンパク質の代謝を活性化させて、皮膚にタンパク質やアミノ酸を供給する働きを持つため、皮膚の新陳代謝を活性化させます。
皮膚をきれいに保つ効果
ビタミンB6は皮質の過剰な分泌を抑える効果があるため、ニキビができにくいように肌環境を整えてくれます。
神経系の伝達を助ける効果
神経の伝達に関わる物質の合成に関わります。
その他の効果
ヘモグロビン(赤血球の成分)の合成に関わるため、不足すると貧血の原因にもなります。
他にも体の中でさまざまな効果を持つため、必須の栄養素と言えます。
ピドキサールの飲みかた
用法用量
通常、成人で1日10~60mgを1~3回に分けて服用します。
ビタミンBは水溶性ビタミン(体に止まりにくい性質のビタミン)であるため、体内に長時間留まりません。
そのため、できるだけ服用タイミングを分散させて一日の中でまんべんなく服用するのが理想的です。
皮膚の状態や年齢などによって用法用量は変わる場合があります。必ず医師や薬剤師の指示に従って服用して下さい。
飲み忘れたときは
もし飲み忘れに気がついたときは、気がついた時点で1回分を服用して下さい。
ビタミンB6は水溶性のビタミンあるため過剰に摂取しても尿として体から排泄されます。
そのため、服用タイミングが少し近くても大丈夫です。
次の服用時間がかなり近い場は服用せずに1回分をスキップすることもできます。
飲むタイミングに迷った時はかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
飲み合わせ
ピドキサールは飲み合わせに注意するお薬は特にはありません。
しかし、ほかのビタミンB6を含むサプリメントを一緒に摂取すると、過剰摂取になる可能性もあります。
ピドキサールと一緒にサプリメントを併用する場合は、薬剤師に相談されることをおすすめします。
お薬を処方&調剤してもらう時には、必ず薬剤師または医師にお薬手帳を提示しましょう。
飲み合わせを確認してもらうことができます。
お薬手帳のお得な活用法やメリットについて解説しています。合わせてご覧ください。
【薬剤師が解説】お薬手帳があればお薬代金がお得に?メリットを解説!服用できない方
ビタミンB6は体に必要なビタミン類であるため比較的安全とされています。
妊婦さんや授乳婦さんも服用することができます。
新生児や乳児が大量に服用した時に横紋筋融解症(筋肉が溶ける危険な症状)や下痢の副作用がでた事例があるため、新生児や乳児に大量に服用はさせないようにします。
服用させるときは医師や薬剤師に相談してください。
副作用
ビタミンB6を服用した際の副作用として、ごく稀にですが、消化器系の症状があります。新生児や乳児は横紋筋融解症の副作用が起きた事例もあるため、慎重に服用します。
- 胃部不快感
- 悪心・嘔吐
- 下痢など
過剰摂取などが原因でこれらの副作用が見られることがあります。
万が一このような症状が見られた場合は服用を中断して医師または薬剤師に相談してください。
ビタミンB6は本来は食べ物に含まれているものです。そのため、ピドキサールは比較的安全性の高いお薬であると言えます。
まとめ
- ピドキサールの有効成分はビタミンB6です
- 最初から活性化型であるため、素早く効果を発揮します
- 代謝にかかわり、皮膚の新陳代謝を活性化させます
- 皮脂の分泌を抑え、ニキビのできにくい肌環境にします
- 肌のターンオーバーを促進します
- 肌だけではなく体全体に様々ないい効果があります
肌や体の健康のためにも、ビタミン類はバランスよく食事から摂取することが望ましいです。
食事からではどうしても不足してしまう場合は、足りない分を医薬品やサプリメントで補ってあげることも大切です。
他のビタミンのお薬についても解説しています。合わせてご覧ください。
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せいまる